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2002年11月 アーカイブ

2002年11月01日

Triple X

トリプルXDir: Rob Cohen Cast: Vin Diesel, Asia Argento, Marton Csokas

首筋に3つのXのタトゥーのある男Xがシークレット・エージェントとしてプラハで活躍!というお話なのですが、とりあえず新鮮な点はヴィン・ディーゼルが演じるXが国家公務員でなかったことらしい。アクションシーンはとてもよかった。宣伝でもやっている雪崩に追いかけられながらスノボでおりるシーンとか、それが目玉だからですが、しっかりとゆっくりみせてくれてよかったです。笑いという点ではトレーラーに出てくる以上のシーンはなく、サミュエル・ジャクソンがうすっぺらい役で笑えるとかそういう点だけだった。他は007のパターンをほぼ踏襲しているといっていいでしょう。年寄りのQのかわりにメカおたくの兄ちゃんがでてくるとか。まあXは今のところ女たらしではないようですが。そんな感じでヒーロー以外は伝統的スパイ映画ですね。あとは何で潜水艦なのに水で無害になる毒を使うのかとかいろいろ変な点はいっぱいありましたが、そんなところは笑って楽しめば、気分転換によい映画でしょう。しかし、なんで科学者が何かを開発するシーンてワンパターンなんですかね。あんな風にネズミつれてきても意味ないってば。

ヴィン・ディーゼルはがんばってる、って印象。主役らしさがもうちょっとでないとこの手の映画はだめじゃないかなあ。シリーズ化が予定されているようだけど、彼がもっとインパクトある存在がないと面白くないでしょう。できれば今回のヒロインとシリーズを続けていくといいんじゃないですかね。サミュエル・ジャクソンはただ存在感のためだけに起用された感じ。確かに彼の役をあんまり力のない役者さんがやると、映画全体しまらないわけですが、もったいない感が否めない。だいたいこの人物の性格に現実感がない。もちろんアクション映画だからあんまり関係ないかもしれないけど、失笑を買うようなせりふはどうかと思う。

テロリストが陰謀をたくらむというのはいつものパターンだけど、冷戦が終わったためかおおっぴらにロシアは悪者になってますね。アメリカ映画だからしょうがないんでしょうけど、もうすこしリアリティのある、もしくはちょっと気がつかないようなところが企てるプランっていうのがないと面白くない。世界中の人が死ぬっていうのが確かに最大の危機を表現するのだろうけれど、他にないのだろうか。解決する過程のバリエーションが増えるのは良いですが、そちらの方も少し考えてほしいものです。

2002年11月05日

Dolls

ドールズDir: 北野武 Cast: 菅野美穂、西島秀俊、深田恭子

実は北野作品を見たのは初めて、というあまりまじめでない映画ファンの私。なので、熱心な北野ファンには申し訳ないんですが、友達が見に行くのでついていったというのが真実。すでに宣伝や、TVの特集で筋はかなり知らされていました。基本的には3組の哀しいカップルのストーリーが進行していきます。メインは社長令嬢との結婚のために恋人をすてた男と、捨てられて気の狂った女。恋人を待ち続ける女とやくざの親分。顔に怪我をおったアイドルとそのために自ら目を傷つけたファン。この3組が実際に地理的にオーバーラップしながら話しが進んでいきます。それぞれのカップルのラスト以外はすでに宣伝されているとおりなので、シンプルに筋を追って画像を見ている印象です。だから思いも寄らないラスト、息つく間もない展開ということは期待できません。まあやくざと追っかけのラストはさして驚かないけど、メインのカップルのラストはちょっとドキッとします。とはいえ、何もかもがとてもネガティブで、刹那的な印象。せつないというよりはなにか揺るぎのない絶望みたいなものを感じました。

そもそもDollsっていうのは文楽の人形でもあって、近松もののストーリーがベースに流れているわけです。この恋愛や世間感というものは時代を超えたなにか、というよりは私にとってはかなり異なったものに感じられました。和(日本)が強く、ストーリー的にも映像的にも強調されていたのですが、ちょっと海外を意識しているなあという感じがちょっと鼻についたかな。全般に楽しいという感じはしないので、デートには不向きかも。映像はきれいです。

2002年11月09日

Trick 劇場版

トリック劇場版Dir: 堤幸彦 Cast: 仲間由紀恵、阿部寛

これはもともとTVでやっていたそうですね。友人がそれが面白かったからとすすめてくれました。というわけで、何箇所かなんで皆が笑うのかわからない箇所がいくかありました。実際初日に見に行ったわけですが、満席の観客もほとんどが年下。大学生くらいが中心かな。ちょっと年取った気分になりました。

基本的にはえせ超常現象を奇術のトリックとして、売れない奇術師と物理学教授が暴いていくというストーリー。教授というとなにやらおだやかなインテリで…というキャラかと思いきや(実際そうでないのはよくわかっているが)、俗物がでてくるので、笑えます。謎解きは面白いですが基本はお笑いで、特に仲間があいかわらずまじめな顔でおかしいことを言うのでかなりおかしかったです。有名人が続々登場で、なかなか癖のある人物を演じています(野際陽子とか竹中直人とか)。とはいえちょっと中途半端な使われ方だったような。

謎解きは、わりとさらさら解かれていくので小気味良いのですが、それでなんでこのトリックにすぐ気づかないの?というところもありました。それにすべてはトリックというわりにラストの謎解きはそれはちょっとなあという解決だった。でも全般に笑いも途切れず、テンポよく進んでいくので飽きませんでした。面白かったです。確か本がでているはずだから読んでみようかなと思いました。

2002年11月15日

愛しのローズマリー

愛しのローズマリーDir: Peter Farrelly Bobby Farrelly Cast: Gwyneth Paltrow, Jack Black

面白そうだと思って、レンタル屋の店先に並んだのを見つけてから1ヶ月。ようやく『愛しのローズマリー』を見れました。そもそも1つしか置いてないのが信じられないんだけど!お話は、ジャック・ブラック演じるハルはおかしな父親の遺言のせいで(?)、人を外見でしか見れない男。たまたまエレベーターに乗り合わせた高名なカウンセラーに、もてない話をすると、心のきれいな人が美人に見えるように催眠術をかけられる。そして、彼は美しいローズマリー(実は力士並みの体格)にであって恋に落ちる…。なんか面白そうでしょう?

ストーリーの面白さのために、細部はかなり単純化されていて、それがちょっとおいおいそう片付けてよいのかねってところが多かったかもしれない。外見が醜い人が心がきれいで、美人は心が醜いって言う図はあんまりだと思いますけど。それに心がきれいイコール、ばあちゃんの看護やボランティアっていうのはなあ。もちろんそれについてはローズマリーがちゃんと一言言ってますけどね。とはいえ、全体に明るくさわやかで、この催眠術の対象が女性だけでないところがshallowでなくて良いですね。
この映画でさらに楽しかったのは最後のクレジットの部分。各クルーがそれぞれまとまって映像として出てくるところ。みんなでポーズをとったりしてほんと楽しそうです。なんか高校時代のイベントみたいで懐かしい感じがしました。

ファレリー兄弟の連作ラブコメの1つにあたるようで、「メリーにくびったけ」(somthing about Mary)、とキューティー・ブロンドとで3作ということみたいです。キャメロン・ディアスの『メリーにくびったけ』はなにやら下ネタ満載でしたが、今回は押さえてわりとしっとりとしたストーリー。キューティー・ブロンドは幼馴染をおって弁護士になるお話らしい。おもしろそうなので、是非近々見ようと思ってます。

2002年11月16日

キューティブロンド

キューティブロンドDir: Robert Luketic Cast: Reese Witherspoon, Luke Wilson, Jennifer Coolidge
というわけで、キューティ・ブロンドを見ました。ファレリー兄弟3部作と書いてしまいましたが、似たような作品を3本まとめて宣伝するというどうやらまた日本の映画会社の策略らしい。これはロバート・ルケティック監督の作品です。まったくもう。メリーとローズマリーはファレリー監督です。実際みてすぐ感じが違うことに気がつきますよ。

で、今回は化粧やファッションにしか興味がなかったブロンド美人がふられた彼氏をおって、「彼にふさわしくなるため」ハーバードの法律学科に行くお話し。このお話はコメディではあるけれど、そのためにラブストーリー自身はわきに追いやられている。全体としてはある種の女性のサクセスストーリーとして楽しむことが出来ます。お話の流れとしては『ボーンイエスタデー』見たいな感じ。それともかわいい『エリン・ブロコビッチ』か。

冒頭で「なんでこんなやつに惚れるんだ!!」と怒りたくなるようなやわな彼氏が登場(Matthew Davis)。もうちょっとハンサムで正確だけがせこいやつとかにすればまだ納得できたのに。後に出てくる彼(Luke Wilson)も妙にソフトな感じ。Luke Willsonはもう少し目立ってよかったと思う。なんか中途半端な二枚目でした。主人公エルは『カラー・オブ・ハート』のReese Witherspoon。彼女はかわいくてちっちゃくってお茶目って感じがでていて良かったです。もちろん彼女が目立つためには彼氏二人はソフトな方がいいのでしょうけれどね。

脇役も見覚えのあるベテランが多く、安心してみていられました。怖い先生のHolland Taylor やVictor Garber, マニキュア屋のJennifer Coolidge と話の展開の大事なところでしっかり舵をとっていてよかったです。びっくりしたのはミクロの決死圏の「Raguel Welch」。なかなか色っぽく登場ですが、この人いま何歳なんだろう!!

2002年11月27日

ハリー・ポッターと秘密の部屋

ハリー・ポッターと秘密の部屋Dir: Chris Columbus Cast: Daniel Radcliffe, Rupert Grint, Emma Watson

面白かったです、一作目より。前作と同じメンバーですが、皆大人っぽくなって思春期(?)って感じです。ハーマイオニーちゃんは大きくなっても美人になりそうで楽しみですが、今回はちょっと疲れた美人でした。ばっちり3時間の大作ですが、ゆったりとストーリーが展開して楽しかったです。原作を大筋でフォローしていますが、色々と変わっていて、確か最後の戦いのところもちょっと違うような気がする。でも納得できる展開なので、この変更自身も楽しめるでしょう。

今回はCGががっちり使われていて、最後のクレジットでも延々と名前が流れるのですが、印象に残ったのはクモ。気持ち悪かった。あんなにたくさん出さなくてもいいのに…。あの部分でもかなりストーリーがかわっていましたね。この長ーいクレジットに堪えると実は1シーンだけその後に見ることが出来ます。私は普段the endがでたところで席を立ってしまうのですが、今回は噂をきいていたので、がんばって座っていました。で、がんばってみたシーンですが、まあどうでもいいな。見なくても大丈夫。基本的に次の作品へのアプローチに過ぎません。

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