Category: エッセイ
Contents: 日常生活の中のちょっとしたもの60についてののエッセイ。
Comment: 実をいうと彼女の小説は読んだことがない(ベストセラーなのはわかっちゃいるのですが)のですが、雑誌ku:nelでの姉妹の往復書簡の連載を読んでいて、この人のエッセイは面白いかなと思って購入。
文庫としてはクリーム色の高めの紙を使ってあり、書体も少し大きめで行間大きめで、良い感じ。全般にクールでさらっとしたお話が多いのだけれど、いくつかカチッと正しい鍵穴に当たったように、心の底からうなずいてしまうお話があって、私としてはその数話のためだけでもこれを読んで良かったな。別に感動とかそういうのではなくて、あー、そうだなあとにっこりしてしまうような感じ。好きなお話は「ケーキ」と「『けり』という言葉」。
「ケーキ」は「ケーキ」という言葉に人がみるものは実物以上のものだというお話。「ケーキがあるわよ」といわれるとどんなケーキかもわからないのにうれしくなってしまうあの感覚。よく考えればみんな苦手なケーキやいろいろな要素があるはずなのだけど、そんなことはふっとばして「ケーキ」という言葉で感じる甘い幸せな感じがいいよなあというエッセイ。
こう書くと彼女のつかっている言葉の使い方が素敵なのを実感。↑の説明じゃ全然ぐっときませんね。
コメント (2)
そういえば、私も江國香織のって読んだ事ないなあ~。娘は読んでいそうな気がするけど。
・・やっぱ、自分より歳が下の作家さんの作品ってなかなか手が伸びないのですよ。
ふーん、でも何となく面白そうね。肩の凝らない感じで。
本屋に行ってちょっと見てこよう。
投稿者: たらり子 | 2006年10月18日 11:50
日時: 2006年10月18日 11:50
>たらり子さん
自分より年下の作家さんが、最近では結構ごろごろ居るようになって、読んでから気づいて驚くことも多くなりましたね。
歌の歌詞なんかもそうなんだけど、私より若い人の作品(というか今時の作品)てなんか説教くさいのが多くて、ちょっと苦手。「本当の自分を探して」とか「まわりに流される自分が嫌い」とかそんなんばっかりなので、共感できんのよ。
投稿者: konama | 2006年10月18日 23:46
日時: 2006年10月18日 23:46