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銀齢の果て (筒井康隆)

銀齢の果て
銀齢の果て
posted with amazlet on 06.02.21
筒井 康隆
新潮社 (2006/01/20)

Category: ??? 文芸ではあるけど娯楽?
Story: 老人版バトルロワイヤル。少子化のため、各町内にお年寄りは一人とするという政府の方針に基づいて、老人同士のバトルが繰り広げられることに…。

Comment: ひさしぶりに筒井康隆の本を購入。絶筆以降はほとんど読んでいなかったのだが、友人が興味をもっていたのと、登場人物すべての挿絵を山藤章二が描いているっていうところに惹かれて購入。う~ん。正直言ってちょっとがっかり。確かに筒井にしかかけない小説で、不条理ナンセンスではあるんだけれど、どこにも行き着かないので、たくさんグロな描写を立て続けに読まされた生理的不快感が残ってしまって、ちょっと嫌な感じ。

最初の出だしは、ブラックコメディ風で、ご隠居さんが周りのお年寄りを戦力分析していて、「体力5財力5知力5」とかいっていて、「この人は体力5なのに問題ないの?」「ああ、そいつは神父だから自殺もしないだろうけど、殺しもしないだろう」「このプロレスの人は要注意なのでは?」「ああ、そいつはこびとプロレス出身だから。むしろ子供に紛れて襲ってきたりするかもしれない」みたいな会話が展開している。相変わらずタブーにダイレクトにつっこんでいく作風ではあるんだけれど、この感じは最初の数ページのみ。あとはちょっと面白いとは言い難い。おそらくお年寄りたちの様々な反応、作戦で痛快に最後までというところなんだろうけれど、ちょっと濃すぎて私は辛かった。意欲作っていうのはわからないでもないんだけど。とはいえ最後までさらりとは読めてしまったので、そのあたりは底力というべきか。

筒井氏の作品では残像に口紅をが一番好きですね。古いですけど。

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コメント (2)

アマゾンにも行って、レビューを読んできたのだが。
非常に好みの分かれる所なのかしら?

アマゾンのほうを読む限りではなかなか面白そうだとは思ったけど、そうか生理的不快感が残るのか。
あるよねえ、評判良くても自分としては受け付けないってのが。
私、重松清の「疾走」がダメでした。
面白いっていえばそうだったけど、なんか途中で気持ちがわるくなったよ。

でも、興味はあるなあ。

↑一体、どうしたいんだって感じだよね(笑)

konama:

筒井ファンとしては、別に問題ないけど、普通の人にはちょっと抵抗あるんじゃないかなあ。エログロナンセンスが大丈夫なら、問題ないかと。

私は他の人よりは免疫ある方だとは思うけど、「人にすすめたい」とは思わなかったな、今回は。(私も若くないってことかしら)。

筒井康隆氏の本を読んだことがないのでしたら、もうちょっとソフトなあたりから入った方が良いと思います。正直言って。
(神戸在住の皆様に怒られるかしら?)

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2006年02月21日 00:28に投稿されたエントリーのページです。

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