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てるてる、あした (加納朋子)

てるてるあした
てるてるあした
posted with amazlet at 05.09.05
加納 朋子
幻冬舎 (2005/05)
売り上げランキング: 24,087

Category: 短編連作 
Story: 親の借金のおかげで、がんばって合格した高校にも行けずじまい。なんで私がこんな目に…と内心つぶやきつつ照子は遠い親戚がいるらしい埼玉のささらにやってきた。前作「ささらさや」と同じ舞台で起きる、不思議な出来事。
Comment: 加納朋子さんは私の大好きなミステリー作家で、ななつのこ魔法飛行掌の中の小鳥など、ほんわかした中のさりげないミステリーが素敵です。今回の「てるてる、あした」は厳密に言えばミステリーではないのでしょうけれど、さまざまな謎がちりばめられた不思議な、暖かなお話です。前作の「ささらさや」と同じ登場人物、場所で、同じようにちょっとつらいテーマをあつかった作品ですが、それでも読んだ後は、とてもほっとした気持ちにさせられます(途中泣きそうなところもあるけれど)。

今回のお話は母親に愛されていないのではないかと恐れる照子が、自分の足で立って、自分から働きかけることを知る、そんなお話。相変わらず、幽霊らしきものが登場して、なぞを色々とちりばめてくれますが、意外な展開ではありません。

ある種のおとぎ話ではあるので、都合の良さや現実感のなさみたいな物が鼻につく場合もあるかもしれませんが、ラストに行き着くまでの細かい設定で私は気になりませんでした。いつもこの人のお話はストーリーを展開してまとめるその完成度が高いなあと思います。

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コメント (4)

ミステリーって苦手だっていっていたけど、以前紹介していただいた芦原すなおさんの作品にははまったもんな~。なんていうか、ジャンルではなくて文章の書き方とかその他モロモロが私のツボを刺激するか否なのかもしれない。

なんか面白そうですね、今回のエントリーの本も。
う~ん、でも文庫本はまだなのか~。
なら、文庫本になっているのから読んでみようかな?

konama:

謎解きとトリックが好きでミステリーを読むことも多いですが、やっぱり読み物として面白いというのが第一かな。この人の作品はそういう意味でも面白いし、謎解きの方もやられた…という気分にさせられます。

気に入るかどうか分からないので、まず「ななつのこ」を読んでみて(これは文庫)気に入ったらいろいろ読んで見るというのがいいかな。「ななつのこ」は駒子さんという女の子のお話で、続編が「魔法飛行」「スペース」と続きます。基本的に短編連作で、全体としてもストーリーがあるというスタイルなので、少しずつよんでも面白いと思います。

とりあえず、アマゾンで「ななつのこ」と「魔法飛行」を頼んでみました。他に欲しい本もあったのでい一緒に(送料がもったいないから・笑)

・・台風対策も終えたのでこんな時間にネット中でした。

konama:

す早いですねえ。たらり子さんの好みに合うといいですけど。読んだら感想をよろしく。台風はいかがですか?

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2005年09月05日 13:26に投稿されたエントリーのページです。

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