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エターナルサンシャイン

エターナル・サンシャイン
サントラ ジョン・ブリオン E.L.O. ザ・ポリフォニック・スプリー
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↑はサウンドトラックです。念のため。

Original Title: Eternal Sunshine of the Spotless Mind
Dir: Michel Gondry
Cast: Jim Carrey, Kate Winslet, Elijah Wood, Kirsten Dunst, Tom Wilkinson, Mark Ruffalo
Story: けんかした恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)に会いに行くと、彼女はジョエル(ジム・キャリー)のことを見知らぬ人として扱い、新しい恋人までいるらしい。落ち込んだジョエルにクレメンタインがジョエルに関する記憶を消す治療を受けたことが知らされる。強いショックを受けたジョエルは自らもクレメンタインに関する記憶を消す治療を受けるが、その治療の最中にどんどんと消えていく思い出の中彼はその治療をうけたことを後悔する。

Comment: なんかこの映画くどかったです。面白かったんだけどね。もう封切ってから大分たっていますこの映画ですが、昨日新宿の松竹でやっていることに気づき、ちょうど時間もよかったので行ってきました。久々の映画だよ~。で、知っている人は知っていると思いますが、この映画館結構小さいのよ。で、今回の上映するところはなかでも小さめかな、定員44人。なかなかこぢんまりしたところで、小さめのスクリーンをみるというのも集中できて良かったかも。

で、映画なんですが結構定番の時間軸をうろうろするストーリーなのでこ、伏線とおちの間がちと複雑で、頭の中の情報がいっぱいいっぱい。見終わって「理解できたけど、疲れた~」って感想でした。おそらく映画を作っている方もその点をわかっているのでしょう、何度も何度も念押しのような観客の理解を迫るような(?)ひねりが入って、最後には「わかったってば」という気分でした。

あらすじを見るとラブストーリーに見えるかもしれませんが、実はそうではなくてジョエルが自分の心の中を探るお話です。全編にわたってでてくるクレメンタインも彼の記憶の中のクレメンタインであって、本人としての存在はお話の最初と最後くらいしか出てきません。長いつきあいの中で、わすれかけていた様々な感情がよみがえって、いろいろなことで隠されていた自分の本当の気持ちに気づくというわけ。つまりカップルになる過程を描くわけではなく、既にできあがって難しい時期になった二人それぞれが大事な物を見つけるお話。

最後の落ちも何回かひねりがはいって「いや、そこまで説明しなくても」という気分になりましたが、これはおそらく観客層を考えてのことなのかなと見終わってから気づきました。というのも44人なので、観客の客層はほぼ把握できたのですが、夫婦者は私たちだけで、あとはカップルか大学生の女の子二人組、たまにおばさまが一人で、という構成。封切りの当時はどうかわかりませんが、宣伝の感じとジムキャリー&ケイトウィンスレットということで、見に行った大半の人は学生カップル、あるいは未婚の女性が多かったのではないかと思われます。つまり、長い間一緒にいることでおきる2人の人間の間に起こる摩擦とか、ただそこにいることの幸せとか、自分が自分でいることの大事さとか、そんなものを二人の行動から共感するという年齢層ではないんだろうなあ。だからかなり明示的にその後の二人を描写することで、理解を求めているのかな。私の印象では最後の方はかなり蛇足に感じました。事実、隣のカップルはあきらかに「あ~、なんかはずれだった」という雰囲気を醸し出していたし、デートに見るには向いていないんだろうなあ。まあ脚本が「マルコビッチの穴」のひとで、監督が「ヒューマンネイチャア」のひとなんんだから、デート向きでないのは明らかですが。

主役二人のまわりで展開するエピソードはかなり陳腐な感じで、まあだからこそメインの話が浮かび上がるのですが、ちょっと漫画っぽいかな。なんだかぬめぬめとしたパンツ泥棒兄ちゃんのイライジャウッドと眼鏡のオタクのマークラファロが妙にはまっていて、気味悪かったです。キルスティン・ダンストはなんかなあ、あんまり良くなかったかも。私の好みの問題もあるのかもしれませんが、なんか中途半端な感じ。そしてトム・ウィルキンソン(「フルモンティ」で失業したのを奥さんに話せなかったおじさんの役をやった人)は相変わらず奥さんに頭のあがらない、おじさん役です。この4人が主な脇役なわけですが、有名どころを使っているのは少々もったいない感触。SFXとかあんまり使っていないから、ギャラに予算が使えたってとこなんでしょうか。

ジムとケイトはさすがの演技で、光っております。ジムがストーリーの先導役ではあるのですが、ケイトの存在感で五分にわたりあっているし(というかケイトの方が押している)、時たまはっとさせられる表情がでて、いいですね。ジムキャリーも、今回は顔をゆがませずにちょっと暗めの青年を演じてます。この人はお笑いのセンスもすごいけど、こういう役もいいよね。時折みせる、遠くを見る眼が切ないです。

長くなっちゃったので、食べ物編は次回に。
記憶を消す装置にはやはりぷっと吹き出しました。ありえないだろ~それは。

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2005年05月09日 16:03に投稿されたエントリーのページです。

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