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赤い薔薇ソースの伝説

Original Title: Como agua para chocolate (Like Water for Chocolate) 1992
Dir: Alfonso Arau Cast: Lumi Cavazos, Marco Leonardi, Mario Iván Martínez
(DVDは発売されていません。リンクはレンタル用のビデオなので高価です。購入されたい方はご注意を。大きめのレンタルビデオ屋にならあると思われます。)
Story: メキシコの牧場の末娘として生まれたティタはペドロと惹かれあうが、末娘は結婚せずに母親の面倒を見るというその当時の風習で結婚はゆるされず、ペドロは彼女の近くにいるために姉のロサウラと結婚する。料理の得意なティタは彼らの結婚式でも腕をふるうことを強要されるが、その鬱々とした気持ちで作った料理は食べた人に鬱々とした気持ちをもたらすものだった。

Comment: この映画はいろいろな映画お料理本で取り上げられていて、その美味しそうな話を先によんでいたので、気軽に見始めたのですが、怖い。この映画はとても怖かったです。お話の展開ははっきりいって荒唐無稽だし、おいおいという点も多いのですが、なにより全般にフェティッシュな香りが漂い、狂気が常に隣にあるので、かなり気持ちが悪かったです。(多少生理的嫌悪感も感じたくらい)。死んだ後も亡霊として登場するマッドなママもかなり怖かったしね。

メキシコの当時(1900年代初め)の暮らしはこうだったんだなあというシーンに満ちていて、そういう意味ではいろいろと興味がわきます。残念ながらメキシコの歴史には全く知識がないので、独立運動やらその結婚に関する風習やらがわからず、正直なんでそういう展開になるのかわからない部分も多かったです。まあそれでも恋愛、家族の映画として観る分には問題ありません。とにかく色々メッセージは盛りだくさん、エピソードも盛りだくさん(不幸が山のように押し寄せてくる)ので、少々うんざりしますが、面白いには面白いので、大河ドラマを見る感じで楽しめると思います。

恋愛ドラマとしては、その狂気の様が「ドールズ」に通じるところがあるような気がします。引きずるほど長く編まれたキルトや、トリに向かって手を差し出す閉じられた心。観ていてあ、なんかドールズの近松人形のようだなあとぼんやりと感じていました。ティタと一緒にいるために姉と結婚するペドロは、人によっては深い愛情やロマンティックだと感じるのかもしれませんが、個人的には独りよがりなやつにしか見えなかった。彼女に何の相談もなく姉と結婚し、彼女が他人からのプロポーズを受けそうだと聞いて夜ばいをかけ…うーん、私にはティタにプロポーズしたドクターブラウンの方が数倍魅力的でした。ティタの悩みはわからないでもないのだけれど。衝撃のラスト(いろんな意味で絶句した)まで怒濤の展開をお楽しみください。

しかし、映画史上初めてであろう映像が一つ。ティタのつくったウェディングケーキにあたって川に向かって吐く人々。あんなにたくさんの人がそんなことをしている映像はおそらくはじめてだったのではないだろうか。かなりショッキングでした。その当時のメキシコだからなのか、おなかを壊したり、消化不良だのそういう話ばっかりでちと閉口しました。

食べ物に関してはずいぶん色々出てくるので、次のエントリーで紹介します(それに上のような話題の後に入れたくないし)。チリ入りホットチョコレートもどこだかわからなかったので、もう一度見直します。

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2005年04月06日 09:23に投稿されたエントリーのページです。

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