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ラブシーンの掟 (石川三千花)

Title: ラブシーンの掟 (文藝春秋)
Author: 石川三千花
Category: 映画イラストエッセイ
Contents: 「ラブシーンがいけてない映画は駄目な映画」をコンセプトに数々の名画のラブシーンを図解(!)してつっこみを入れるイラストエッセイ

Comment: えー、この表紙を見てわかるとおり(見えない方は大きくしてみて!?)、かなり露骨です、この本は。通勤電車で読むのに勇気がいりました(こういうときに限ってカバーをつけそびれていたりする)。お子様には刺激が強いかと思われます。いろんな映画のラブシーンを取り上げて、いろいろとコメントしていらっしゃるのですが、この手のイラストエッセイに期待出来るものって「笑い」だと私は思うんだけど、それがちと足りない気がします。あとはどんなに具体的な絵があっても、ぐっとくるほどの色気は感じられないので、作者が期待するところの「そそられる」っていうのはなかったです(だからお笑いに徹すればよかったのに、と思うんだけど)。コンセプトとしては面白いし、かなり楽しめましたが、今ひとつすっきりしない本でもあります。やっぱり何本かの映画に関しては「いい男だよな~」「こういう色気がいいよね」みたいなお話で終始しているものもあり、そこの部分の趣味が一致しない人にとってはあんまり楽しめない。もちろん納得できることもいっぱいあるんだけどさ、例えば「ラブシーンの後ろでやたらくさい音楽が大音量でかかるのは最低」はほんとにその通りだと思うしね。

イラストエッセイの他に2本の対談が入っているのですが、それも一つ残念だった部分。そのうちの1本はみうらじゅん氏との対談なんだけど、お二人の笑いやラブシーンに関する趣味が違うのは明らかなのに、妙にみうら氏の意見に迎合している雰囲気があって残念。性別も違うわけだし、違って当然なんだから、むしろその辺をはっきりディープに語ってもよかったのでは?すくなくともこの本は石川氏の本なのだから、もっと主張して欲しかったなと思います。

と、文句ばっかり言ってますが、買って損したかといわれればそんなことはありません。私個人的には十分楽しませて頂きました。しかしたぶん絶対作者が意図したところと笑いのツボがちがっているのはわかっているのだけど、思わず笑ってしまった2点。

1.みうら氏との対談で「映画会社が絶対気に入りますから試写会に来てくださいっていう映画はあぶない」という話しを最後の方でしていて、みうら氏が「俺なんか阿弥陀堂だよりの試写会の知らせに『絶対仏像がでてきますので~』と手書きで書いてあったのもらったよ」。

2.『氷の微笑』の映画の説明に「マイケルダグラスこのとき48歳。数年後にキャサリンというなの女と結婚して子供をつくるとは誰が想像しただろうか」。(シャロンストーンが演じた犯人がキャサリン)

イラスト見て笑わなくちゃいかんでしょ、ホントは。

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「ラブシーンの掟」   石川 三千花:著/文藝春秋   1500 円/2005.1.30     有名映画のラブシーン、ベッドシーンのエロスと... [詳しくはこちら]

コメント (2)

たらり子:

ひ~!!なんちゅう表紙なんでしょうか・・

アマゾン行って拡大してみたらなおさら、ひーーっっ。
・・って顔を赤らめる年頃でもないたらり子でございますが、表紙の漫画の会話の部分が読めないのよね~。

ちょいと驚きましたが私は見てみたい映画を見つける参考になりそうですね。

ははは、たらり子さんでもびっくりですか。
ナンにも考えずにレジにもってったけど、実はびっくりされてたかも。結構みてみたくなる映画ありますよ。古い映画も多いので、レンタルビデオ屋へGOって感じ。

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2005年02月17日 13:10に投稿されたエントリーのページです。

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