Dir: 宮崎 駿 Cast: 倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏、我修院達也、加藤治子
Story: 父親の残した帽子やを継ぐソフィはカフェの看板娘の妹に比べれば地味でまじめな女の子。戦争が始まるところで、彼女の住む町も兵隊や軍艦を囲んで人々がにぎわっていた。女の子達の話題は心を許すと心臓を取られてしまうというハンサムな魔法使いのハウルや恐ろしい荒れ地の魔女。ある日兵士に絡まれたソフィはハウルに助けられるが、そのおかげで荒れ地の魔女に老婆になるのろいをかけられてしまう。
Comment: 話題のハウル見てきました。かなり面白かったです。最初にハウルが登場するシーンなんて、ロマンティックな女の子が夢に見るようなかっこよさです。いつもよりは対象年齢アップ。主人公は18才という設定みたいです。全般に不安のない作りですが、その主な要因は久石氏の音楽かもしれません。今回はかなり音楽でストーリーの回転が良くなっている感じ。2時間があっという間です。
構成の確かさみたいなものは「千と千尋」の方がしっかりしていると思うし、あれである種の完成を見た結果また原点回帰なのかなと。今回は原作があるストーリーですが、その映像世界はもちろん宮崎駿ワールドそのもの。あのがらくたでできたお城をはじめとして空飛ぶ戦艦に、飛行帽に飛行眼鏡をしてのるホバー、一本足でぴょんぴょん跳ねるかかし…とどちらかというとラピュタやナウシカみたいな感じです。アニメの技術はその時代から進化したんだなあと感じるような美しいシーンが結構あって良かったです。宮崎アニメファンならたっぷり楽しめることうけあい。
声優陣はベテラン揃いで最初はキムタクがちょっと浮いているかなという印象でしたが、話が進むにつれて気にならなくなりました。最初の違和感は彼の口調がハウルの見た目から受ける人物像とあんまりあわなかったせいかもしれません。美輪明宏と加藤治子は相変わらずの迫力です。一言もしゃべらない犬のヒンの声優として原田大二郎ってなっていてわらいました。あの鳴き声ね。それから弟子のマルクル君がとにかくかわいいです。
原作はこれから読むので(とりあえず本は買った)、違いはまだわかんないのですが、話の展開はちょっとわかりずらいのかも。既に見にいった知り合いは、良くわかんなくて3回見にいったよっていうヒトまで。さすがにそんなことはないけど、エンディングにむけてちょっとむりやりな展開がつづくので、ちょっと何がなんだかわからんというヒトもいるかもね。
やっぱり感じがにてるのでナウシカやラピュタと比較してしまうんですが(ヒロインの成長と戦争というファクターが軸になっているしね)、ストーリーの展開重視のためかヒロインとハウルの成長の過程がちょっとはしょられちゃった感じなのと、戦争の悲惨さが描かれているけれどちょっときれい事っぽい(他人事っぽい?)ところでしょうか。
全体として本当は2時間じゃ入りきらないものをかなり計算してつめこんだのかな。それでも十分魅力的ですけどね。
最期に思ったのは宣伝コピーの「ふたりで暮らした…」ってうそじゃん。