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ジェマとダンカン・キンケイドのシリーズ

前のエントリーの「ミステリーからひと皿」にものっているデボラ・クロンビーの警視シリーズ。私のとても好きなシリーズの一つです。警視のダンカン・キンケイドと子持ちのジェマ・ジェイムズ巡査部長のコンビが謎を解いていきます。一応恋人同士。確かにこのシリーズはなにかと食べ物のよく出てくるお話で、特にパブで食べるシーンが多いような気がします。この本ではチーズとピクルスのサンドイッチ(パブで注文している)が紹介されています。

イギリスのパブというのはもちろんお酒を飲むところなのですが、だいたい11時くらいから営業が始まって、ランチやお茶、夕ご飯まで食べられるところもあります(食べ物はスナックしか置かないお店も多いですが)。ランチの定番はフィッシュアンドチップスやローストチキン、チリカンコルネなどなど、基本はワンプレートで必ずチップス(フライドポテトのこと。櫛形切りのジャガイモのフライ。マックでついてくるようなやつはフレンチフライと呼びます。さらにおまけで、うちのサイトの名前はアーノルド・ウェスカーの「すべてチップス付き」からきています。)が山のようについてきます(チリカンコルネはお米だからチップスはついてないけどね)。ちょっといいお店ならサラダ付き。それ以外にプラウマン(プラフマンかなあ、発音が今ひとつわからん)というのがあって、冷たいものの盛り合わせが選べるところがあります。各種チーズやパン、キッシュ、サラダなどなど。おいしいところだと安いのにチーズのグレードが高かったりして評判になったりします。あとはサンドイッチとジャケットポテト。この本に載っているようなパンにチーズの厚切り、ピクルスみたいなオープンサンドは最近出すお店が少なくなりましたね。たいがいパックのスーパーで売っているようなサンドイッチが多いもの。それでも田舎のパブやちょっといいパブに行くとおいしいサンドイッチにありつけます。ちなみにイギリスでピクルスというとよくある小さいキュウリのピクルスもありますが、茶色いネチャネチャした野菜の角切りのはいったペーストのようなものを指すことが多いです。

本に話を戻すと、このシリーズの中で一番好きなのがこの「警視の死角」。この話はキンケイドの分かれた奥さんが殺される話なのですが、彼女がすんでいる場所が私の留学中の住まいの近くで、話の中にでてくる道やパブなども実在します。良く通った散歩道やティールームなんかも出てきて、とても懐かしいです。お話としてもなかなか凝ったお話で、場所を知らなくてももちろん楽しめます。が本当にこの村は素敵なところなので、読むたびにまたいきたいなあと思うのです。ティールームはオーチャードティールームという、りんご園のオープンエアのティールームで、林檎の木の下にテーブルと椅子が並べられています。そこの林檎でつくったジュースや自家製スコーン、ケーキなどさわやかな季節は本当に素敵なところでした。犬を連れている人々も犬と一緒にティータイムを楽しんでいました。

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2004年12月22日 15:53に投稿されたエントリーのページです。

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