Dir: Frank Darabont Cast: Jim Carrey, Martin Landau, Laurie Holden
Story: ある日川岸で倒れていた男は記憶を失っていた。老人に助けられて街にゆくと、彼は行方不明だった出征した青年が帰ってきたと歓迎される。彼は自分が誰なのか不安に思いながらも、父親の経営する映画館「マジェスティック」の再建を始める。
良い映画でした。テーマは重いのに、ほのぼのとしていて、いつのまにか主人公の行く末を思ってはらはらしていることに気がつく様な映画でした。出征していった多くの戻らぬ若者が守ったものはなんだったのか、言論の自由を奪われたハリウッドの暗黒時代、ふつうのお気楽な青年だった主人公にさまざまな問題を投げかけ、ひとつの解決・決心を見るまでの過程を描いています。ただこのテーマに共感出来ない人はとりあえずあんまり面白くないでしょうし、全般に暗いその時代の雰囲気が漂っていて楽しめない人もいるかもしれません。しかし、ストーリーの構成は巧みですし、美しい風景も多く一見の価値有りといえましょう。
ジム・キャリーの演技は相変わらずうまく、コメディの時の様な大げさな表情でない分、主人公へ好感がもてる様になります。特に自分が誰だか分かったときからの彼の態度の変化は面白かったです。さらに父親役のマーティン・ランドーがとてもすばらしく、感心しました。特に微妙に傷ついた表情にどきっとさせられます。
なにより私が好きだったシーンは、マーティン・ランドーが映画について語るところで、「みんな映画の魔法にかかるんだ」というところ。この映画をつくっている人々の映画を大事にする心がしみじみ語っている様で、ジーンとしました。