« この街で出会えたら (アレックス・ウィッチェル) | メイン | お先、真っ白 (たかのてるこ) »

きみとぼくの壊れた世界 (西尾維新)


Title: きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)
Author: 西尾維新
Category: 推理
Story: シスコン・ブラコンの危ない兄妹様刻と夜月。様刻の友人たちと謎の保健室の住人病院坂が織りなす不思議な世界。ある日学校で夜月に言い寄っていた少年が殺されているのが見つかった。

Comment: 相変わらず登場人物の名前が不気味な西尾維新。戯れ言シリーズで有名な彼の最新作。個人的に戯れ言シリーズの壊れ具合が好きなので、早速購入。最初に言わなくてはいけないのが、西尾維新の小説は万人向けではないということ。この特異な世界観は苦手な人が多いでしょう。変な名前、奇妙な人格、バタバタと起こる人殺し。それでも、その表面さえクリアしてしまえばわりと面白いので、そういうものに比較的免疫があるなら読んでみる価値があるでしょう。

今回のお話の登場人物ははっきりいってみんな変な人なのですが、それなりの不思議なストーリーが進んでいきます。殺人事件自身の謎解きは実はさらりとしていて、ホントにそうだったのかどうかは結局本人の肯定によって確認されるのだけれど、実はその結果として主人公は…というのがというのが本当のミソ。そのながれははっきりいって見事だ。さらにこの不思議な主人公は妹中心の世界で暮らす、とてもふつうとは言い難い人物なのだが、結局は人の良いやつで、つい肩入れして読んでしまう。いつもの西尾維新の読後感だが、いつもよりいい感じである。

しかし彼の妹とか、やたらエキセントリックな人格は、事件の発端と主人公の性格説明として必然なのだけれど(最後のおちにも)、何となく彼女の存在は殺人事件という点ではフェイク(もしくはやたら陳腐な容疑者)な感じがした。まあ必然なんだろうな。
★★★★☆

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://everything.chips.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/60

コメントを投稿

About

2004年01月03日 22:07に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「この街で出会えたら (アレックス・ウィッチェル)」です。

次の投稿は「お先、真っ白 (たかのてるこ)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。