« ロック・ユー | メイン | 奇蹟の輝き »

アイアムサム

アイアムサムDir: Brian Helgeland Cast: Sean Penn, Dakota Fanning, Michelle Pfeiffer

結構ぼろぼろ泣きました。周囲の評判もよかったしおすすめといえましょう。お話は知能発達に障害を持つサム(ショーン・ペン)の娘が彼の知的年齢を追い越す時、彼女の精神的成長(というか思春期的行動?)にともなって起こった事件をきっかけに2人は引き離されてしまう。サムは雇ったバリバリキャリアの弁護士(ミッシェル・ファイファー)とともに娘を取り戻そうとするが…という感じでしょうか。あんまりうまくいえないです。宣伝でやっていたようにコミカルが部分があるにはあるのですが、それよりもそれぞれの立場のそれぞれの"善意"と思いが重なりあってかなりつらい部分も多いお話でした。

サムはいつも障害を持つ4人の仲間と一緒に行動している設定なのですが、驚いたことにそのうちの2人は障害者本人の出演です。しかし、おそらくそうと気がつく人は少ないと思います。もちろんよく考えてみれば、独特の顔つきや体型なのですが、役者さんがやっているほかの2人との違和感はほとんど感じません。実際、映画製作にあたって障害者のための施設の協力を得て、さまざまなリサーチを行ったようです。サムを演じるショーン・ペンも独特の歩き方や顔のしかめ方をしています。その演技は本当にすばらしいです。しかし、時折知的の障害のある人という設定からはちょっと考えられない台詞もありました。それは瑣末なことかもしれませんが、ちょっと気になりました。

ミッシェル・ファイファーのある意味普通にギリギリに生きている弁護士さんは、なかなかよかったです。私自身がそんなふうにギリギリな人生なのか、彼女のせりふにかなり泣きました。どうやら本当はサムと彼女の恋物語みたいな場面も当初あったようですが(メーキングによれば)、その面を薄くしておいたのは正解だと思いました。

さて、やはりなにより目立ったのは娘役のダコタちゃんです。彼女のおませな演技は涙を誘いました。彼女なりの葛藤と思いやりが表現されていてよかったと思います。監督の解説によれば彼女に実際に知的障害をもったおばがいるので、自然な演技がでたということです。が、やっぱりかなり残酷なやさしさですよね。とても難しい問題です。そういう意味ではむしろ正面からむきあった弁護士さんのキャラクターのほうが自分としては納得できたかな。それでもやはりここにもアメリカ的正義を感じてしまうのは、どうしようもないことなのかな。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://everything.chips.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/26

コメントを投稿

About

2003年04月15日 16:24に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「ロック・ユー」です。

次の投稿は「奇蹟の輝き」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。