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本の世界の滞在時間

犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル) 獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル) 八つ墓村 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
先日友人と話をしていてふとおもったのですが、本を読むスピードって本の世界にいる滞在時間ってことなんですかね。もちろん本の中のストーリーと同じだけ時間がかかるように読むべきだといってるわけではなくて(24みたいにね)、作家さんの期待しているその世界にひたる絶対的ボリュームみたいなものっていうのがあるのかなと思ったのです。(今回はくだらないことをくだくだと考えてだらだらと書いているのでわかりにくい話かも)。

人によって読むスピードはまちまちですよね。たとえば、普通の厚さの文庫だったら、物語のタイプにもよりますがだいたい私は2-3時間くらいで読み終わります。別に飛ばし読みしているわけではないのですが、周りの反応からするとどうやら比較的せっかちなたちのようです。ゆっくりじっくり読むたちの方ならば1週間かけるかたもいるでしょう。その場合1週間どっぷりその世界にいるってことですよね。たとえば作品の重たい感じや深刻な感じがある程度記述の長さなんかで表現されているとしたら、私は作者の期待している感覚を読みとれていないのかなあと何となく思ったのです。

もちろんどんなスピードで読もうが相対的な時間感覚は保たれているわけだし、時間が均等にながれていかないというのは文学作品の素敵なところだと思うから、実際にそんなことは問題にならないのだろうけれど。たとえば速読をした場合、中味はわかっているのはわかるのだけれど、どういう感覚になるんでしょうね?作品は作者の手を離れれば独立したものになる(読み手によって感じ方が変わる)というのは当然だけれど、作者自身が感じているスピード感で作品がよめたらまたちょっと違った世界があるのかもしれませんね。

そもそもこんなしょーもないことを考えたきっかけは、毎日家で横溝正史を読み続けていたっていう人の話をしたことで、ゆっくり読む人はずーっとずーっとあのおどろおどろしい横溝ワールドに浸かっていたのか~、ひ~、と思ったのです。

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コメント (2)

すごく面白い本なら読む速度も早くて、本のバロメーターに私はなってます。私も2、3時間で読み切ってしまうタイプなので、どっぷり余韻が残らない分勿体ないかもと思います。
横溝シリーズ 表紙の絵が怖くて、読みたくなった記憶があります。 笑

>ぢょーぢさん
「表紙の絵が怖くて」読みたくなったっていうのがいいですね(笑)。江戸川乱歩全集とかも背表紙がならぶと人形の絵になるようになっていて、気味が悪かった覚えがあります。最近は横溝正史もあまり読まれないのか、 先日「小さい頃はプールですけきよごっこをした」という話が通じませんでした(笑)。

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2008年04月17日 06:28に投稿されたエントリーのページです。

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