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「三浦しをん」祭り

風が強く吹いている
風が強く吹いている
posted with amazlet on 08.03.06
三浦 しをん
新潮社 (2006/09/21)
売り上げランキング: 2513

Category: 青春小説
Story: 走る事にしか感心のない蔵原走は、大学入学にあたって上京し、同じ大学の清瀬灰二との出会いから、超おんぼろアパート青竹荘の住人になる。なぜか無謀にもほとんど素人の青竹荘の面々で箱根駅伝を目指すことになるのだが…。

Comment: 以前からこの本は装幀の絵が私の好きな山口晃氏の絵なので、気になっていたのですが、ここ一月三浦しをん氏の本を読み始め、結構肌に合う感じだったので、ついにこれも購入。かなり面白かったです。超さわやか、痛快青春小説といいましょうか。まあ大学生10人の話だから日々のエピソードはそうさわやかでもないのですが、箱根に挑戦するときめて練習を始める10人のメンバーそれぞれのエピソードが個性を際立たせていて、最後のレースのシーンにつながっていきます。題材が駅伝ということもあって、最後のレースでも10人全員が端折られることなく活躍して、気持ちが良いです。全体としては著者が感じたランナーの美しさや力強さにたいする感動がそのままほとばしった結果がこの作品なんだろうなあ。わりとさくさく読めるので正月には箱根を見るよってかたには是非。とはいえ、”女の人が書いた”男の子の話なので、汗もそんなに臭くない感じではあり、人によっては(特に大学時代体育会系の方)ケッっていう感じもするかも。

最初に三浦しをんを読んだのはエッセイで、自身の漫画漬けの日々や家族の話に大笑いしたのと、でてくる話が友人の話とよく似ていたので(あまりに面白かったので友人本人にもすすめたら、あまりにテーストが似ているので読む必要がないくらいだといわれた)、はまって読み始めました。まあ半分オタクのつぶやきでもありますので、漫画や本にどっぷりというひとじゃないと面白くないかもしれませんが結構楽しかったです。いまのところ読んだのは以下のとおり。エッセイの中では最新の「悶絶スパイラル」が面白かったです。

仏果を得ず まほろ駅前多田便利軒 むかしのはなし (幻冬舎文庫 み 12-1) きみはポラリス 悶絶スパイラル あやつられ文楽鑑賞 乙女なげやり 桃色トワイライト 三四郎はそれから門を出た

小説はわりと「風が強く吹いている」に雰囲気がにてた男性2人がキーになるストーリーと、女性のものとでちょっと雰囲気が違う。割と私が気に入ったのは男性2人がキーになる方で、そのジャンルとしてよんだのは以下の本。「仏果を得ず」は文楽のお話で、修行中の健太夫と天才肌の相三味線兎一の二人の「文楽馬鹿」の日々。これは健太夫の恋物語もあるし、文楽そのものに関する話も面白いのだが、少々あっさり終わった感が否めない。お話としては漫画を読む方なら「花よりも花のごとく」(これはお能の話だけど)みたいな感じだと思っていただければイメージがわきやすいかな。
直木賞をとった「まほろ駅前多田便利軒」ではたちなおり難い過去を抱えた便利屋多田のもとに、高校時代の変人としてしか認識していなかったクラスメートが転がり込む。全体としては生きていくために封じ込めようとする過去のかけらが、日々いろんな形で現れて、それをなんども消化して許し合って生きていくという感じでしょうかね(甚だ抽象的ですが)。

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2008年04月02日 08:14に投稿されたエントリーのページです。

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