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やっぱり美味しいものが好き (ジェフリー・スタインガーテン)

Title: やっぱり美味しいものが好き (文春文庫)
Author: ジェフリー・スタインガーテン (野中 邦子 訳)
Category: 食べ物エッセイ
Contents: 弁護士からフードライターに転身した著者による、ヴォーグ誌に連載されていたコラムをまとめたもの。トロを求めて船に乗り、ロブスターのさばきかたに悩む、グルメの生活。

Comment: 実はこの本は続編なんだそうで、やはり文春文庫からでている「すべてを食べつくした男」が一作目にあたるらしい。この本はとにかく著者の行動力にあきれ、感心する。多分人によっては「ついて行けん!」と思うくらいのレベルだ。しかしまあそんなことまでしてよくやるよなあ、などと思いながらのんびり読んでいる分には楽しいもの。最高のエスプレッソを味わうために家に14台のエスプレッソマシーンを借りてきて比較し、その間場所がないのでたって食事していたりする。トロをもとめて釣り船に乗り、最高のピザを焼くために家庭用グリルを壊す。各章さまざまな食材、料理を追い求めて奮闘しているが、どれも全力投球。面白いのが科学論文が発表されるたびにショックをうけ、独自のテストを試みているところ。このあたりははっきり言って妙に理詰めだったりするので、嫌いな人はうんざりするだろうけれど、色々試すその姿勢が面白くてつい読んでしまう。それに健康への不安を漏らすあたりがグルメ至上主義かと思いきや人間くささが漂って笑ってしまう。とにかく様々な食材に興味を持ち、日本料理にも詳しく、東南アジアの虫料理にも果敢にトライしている。その姿勢と、やはりいろいろなところに見える、著者の築いてきた暖かな人間関係がそれらの冒険を支えていて、感心させられる。

この人の文章の面白いのは○○は××産(あるいは店)のものが一番だ!と何の迷いもなく言い切っているところ。翻訳のせいかもしれないが、奇妙な潔さが楽しい。私の知る限りとかおそらくとかなし。いきなり一番(後半チョコチップクッキーの章には見られますけど)。そんな姿勢が気に入ればきっとこの本を楽しむことができるだろう。

しかし、しかし、私がこの著者を「ほんとにグルメなのかいな」と思ったいくつかの点。1.ダイエットコークやミルキーウェイをよく食べている(ミルキーウェイはともかくとしてダイエットコークはいかがなものか) 2.うにの章でせっかく水揚げすぐのウニを食べているのに、ウニの食べ方として天ぷらとパスタを紹介しているところ。まあアメリカ人向けの本だからということでもあるだろうが、ちょっと信じられん。

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2005年03月30日 13:29に投稿されたエントリーのページです。

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