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零崎双識の人間試験 (西尾維新)

零崎双識の人間試験Title: 零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)
Author: 西尾維新
Category: 文学(エンターテイメント系)
Story: ちょっとぐれてる高校生柘植慈恩は、誰もいない昼間の電車で、奇妙な男「零崎双識」にであう。彼は顔に入れ墨のある弟をさがしているという。

Comment:
うちのPCもようやく西尾維新を一発変換するようになってしまった。このお話は西尾維新氏のシリーズ「戯れ言使い」の一部であり、前の巻を読んでおいた方が(というか読んでないとわからん)良いでしょう。ただし、今回は謎解きもなんもないし、戯れ言使いもでてきませんから、まあ番外編?外伝?あたりの位置づけになるのか。ただ戯れ言使いの分身みたいな「人間失格」がでてるから本編なのかもしれないけど。

実はこの話は西尾氏がずっと講談社のwebに連載していたもので、私はオンタイムでよんでました。これに修正加筆したものが出版されたわけですが、変更点は主にシリーズにたいする伏線が加えられている点で、大筋に変わりはないといえるでしょう。おまけにデスクトップアクセサリのCD付き。私はこれはどうかなと思います。webで読んでる間にダウンロードできるコーナーもあったので、そのサイトだけ残してアドレスだけ載っけておけばいいのにと思うんだけど。本体1300円もするのはこのCDのせい?という気がするし。使わない人も多いだろうに。もちろんtake氏のイラストは好きだけど、自分のPCに載っけたいと思わないし。さらに、CDがついてるから読みにくい(はずせばいいんだけどさ)。というわけで、個人的にはこのCDが余計だったなと思う。

で、西尾維新氏の話を説明するのはいつも難しい。特に戯れ言使いシリーズは奇妙な世界なので、読んでみてくれとしか言いようがない。ただ、いったん入ってしまえばなかなか面白い。が、まあ生粋の(?)人殺しのお話でもあり、抵抗がある人はやめた方がいいでしょう。

今回のストーリーはこれまで普通(ってなんだ?)の日常生活をしていた無桐伊織(あいかわらずすごい名前ばっかり)が、ある日クラスメイトに襲われた時から、自分が変わっていくのを感じるっていうのがメインかな。そういう意味では西尾氏の本のキャッチフレーズ「青春エンタ」っていうのもうなずけないことはない。おまけにこんなにバタバタと人が切り刻まれる話なのに、家族とか兄弟とかそんな話をしているし。さらに、伊織ちゃんのしゃべり方がなかなか笑えます。そんなどう考えてもすれ違わない状況がどかどかと交差して不思議ワールドができあがってますね。

面白いのはみんな読者の記憶を頼りに話が展開しているところ。この話には精神を操られる人とか幻を生み出す術とかがどしどしでてくるんだが、みんな描写がすっごいラフ。もちろん仕掛けや原理なんて何も出てこない。ただそういうことができる一族がいるということですむ。で、おそらく西尾氏の本を読む人はみんなこういうものに慣れているだろうから、それぞれが自分のもっているイメージを当てはめるというわけ。きっと著者本人がそういう本をいっぱいよんでいるからなのでは?

連載後の追加部分に連載には本人がでてこなかった人物の独白が入っているんですが、ちょっとこわい。もちろんこれによって、いろいろなことが際だつんだけれど、君と僕の壊れた世界の直後だけに近親相姦ネタはちょっと気持ちが悪い。ちょっとその部分だけよみとばしちゃいました。

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コメント (3)

巫女子LOVE:

ども、初めまして!
つかぬ事をお聞きします。
零崎双識の人間試験についているCD-ROMってどう起動させるんですか?なんか変な形しててうまく出来ないんです。よければ教えてください。

巫女子LOVE様はじめまして。

実は私もあのCDまだ見てないんですよ。ただ、シングルと一緒で、ふつうのトレー式のCDプレーヤー(パソコンの)ならふつうにおけばいいと思うんですけど。真ん中に固定するところがあるやつならもっと安定するかもしれませんが。

帰宅したら試してみますね。後で報告します。
確かにi-macみたいに差し込み式のやつだったらとまどうよなあ。

巫女子LOVE様

あれから、試しにかけてみようと本をさがしたのですが、家の本の山に埋もれたようで、未だに発見できていません。その後うまく使えたでしょうか?あのカード型の変形シングルは、結構うまく動かないこともあるようで、やはりiMacのようなスライドインタイプのものでは動かないようです。必要ならシングル用のアダプターを使うのが良いようです。

あんまり参考になりませんですいません。

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2004年02月13日 08:45に投稿されたエントリーのページです。

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