Title: サハラ砂漠の王子さま (幻冬舎文庫)
Author: たかのてるこ
Category: 紀行
Story: 長い就職活動の末、東映の内定をもらったてるこさんは、卒業旅行にヨーロッパとアフリカに行くことにした。これまでいろいろなところを旅してきたてるこさんだが、今度の旅は貞操の危機ばかり!?
Comment: あいかわらずパワフルな旅行をなさっています。この本はどうやらあんまりうれなかったらしくて絶版になっていたのですが、彼女の活躍で文庫版として復活。私も楽しみにしていました。2/10発売だという話だったのですが、書店で9日に見つけ、この本とその続編にあたる、「モロッコでラマダーン」を購入し早速読みました。
本書は出発からスペイン→モロッコの部分で旅の前半部分になります。そこら中で言い寄られる(あるいは襲われる)災難は笑えますが、自分がひとり旅をするときのことを考えて、ちょっとうんざり(よくわかることもあるので)します。結局この本はたかのさんが東京をはなれて再び「ひとり」になるためのプロセスといえましょう。ですから、この本とこの後の旅のことが書かれた「モロッコでラマダーン」とはずいぶん雰囲気が違います。是非2冊つづけて読んで欲しいです。
はっきりいって、彼女の他の旅行記、「ガンジス河でバタフライ」や「モンキームーンの輝く夜に」の方が迫力あると思います。ただ、彼女がどうやってこんな旅人になっていったのか、その過程がよく分かってあたたかい気持ちになれると思います。ただ、「ガンジス~」も「モンキームーン~」も読んでいない人にとっては、はっきりいって「おい、こんなことしていいのか!よく生きてるな!」ということの連続でしょう。