Title: レキシントンの幽霊 (文春文庫)
Author: 村上春樹
Category: 短編集
Story: 表題作は、村上氏が実際に体験した(?)幽霊話。残りの6編の短編はフィクション。
Comment: 昨日に引き続き、村上春樹氏の本を読む。地元の本屋で埃をかぶっていたこの本をみつけた。99年の新刊案内が挟まっている。
どの短編も、どちらかというと家にいることを好み、ひととかかわるよりは、独りで本を読んだり、レコードを聴いている方が楽しいという主人公。基本的に氏本人の嗜好と同じだ。中でも「沈黙」は人に理解されない苦しみ、そのことへの恐怖が描かれており、彼のサリン被害者へのインタビュー集「アンダーグラウンド」にあったような調子の告白がつづられている。「トニー滝谷」は市川準監督が映画化したようで、イッセー尾形、宮沢りえ主演で今年公開されるらしい。
おもしろさでは実は表題作が一番面白かった。なんかいい感じがして。作品としては上にあげた「沈黙」と「めくらやなぎと、眠る女」が良かったです。
★★★☆☆