Title: 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)
Author: 京極夏彦
Category: 推理
Story: 「20ヶ月も子供を産まない妊婦ってありうるか?」文士関口が友人の古本屋「京極堂」の店主に尋ねた、というところからはじまる、密室推理。
Comment: ひとによってはかなり取っつきにくい語り口かと思う。私は最初しばらくはめんどくさかったが、何とかなった。心と脳の話を延々と京極堂が語るあたりでだめな人はだめでしょう。ただ、一応心理学やってる身からすると、おいおいというところもある。特にそのトリックはおいおい。しかし、読み物として面白かったし、かつてない大胆な発想とそれをささえる細かいイントロだと思う。ご存じのとおり、シリーズで何冊もつづいている京極堂だが、なによりでてくるキャラクターが面白いところにシリーズの基があるといえるでしょう。主要人物の設定もちょっとずるいとおもわないこともないけれど、こういう伏線のはりかたもこれまでにないので面白いといえるでしょう。ただし全般にさわやかというよりは怖気持ち悪い作風なので読む人を選ぶかもしれません。しばらく他の本をよんであきたら、続きを読もうかな。(気分としては★3.5位)
★★★★☆