Dir: Philip Kaufman Cast: Geoffrey Rush, Kate Winslet, Joaquin Phoenix, Michael Caine
早い話がサド侯爵のお話。Quillsとは羽根ペンのことで、サド侯爵が創作にかける情熱を描いて、表現する者とそれを妨げる力というわりとスタンダードなテーマが展開しています(と思う)。異常とみなされているサド侯爵を黙らせるために正常な人がやったこととは…。
実際にその映画を見終わったときには、「まあ並みのできの作品だし、設定が設定だからまた見たくなる映画じゃないな」というのが率直な感想でした。しかし、それからかれこれ半年以上たち思い起こしたイメージは「テーマがはっきりした丁寧な映画だった」というものです。われながら判断に苦しむところです。
サドを演じるジェフリー・ラッシュをはじめとして、ケイト・ウィンスレット、マイケル・ケインと堅いメンバーで、それぞれの演技もチームワークも良かったです。やっぱりジェフリー・ラッシュはいいですね(その後の彼の出演したTailor of Panamaはひどい映画だったけど彼はひとりがんばっていた)。その中でひとりうまくなかったのがホアキン・フェニックス。悩める聖職者という役どころですが、周りがいい役者だけにちょっと…。彼は2枚目として有名らしく(断じて私の好みではないが)この映画でも色男を演じているわけですが、演出なのか何度も白いシャツの前をはだけて登場します。これがなんかせくしーじゃないのです。べつに筋肉もりもりである必要はないけど、なんか似合わないんですね、彼には(なんかぽちゃっとしてて)。