Category: 短編連作推理
Story: 「香菜里屋」シリーズ最終巻。三軒茶屋のビアバー「香菜里屋」のマスターはいつも絶妙のツマミと謎解きをくれる安楽椅子探偵。今回は香菜里屋にまつわる謎で、シリーズを締めくくる。
Comment: 終わっちゃいましたよ。このシリーズ大好きだったのに。
今回はこれまでに登場した常連さんのその後を絡めた短編と、香菜里屋の工藤マスターの常ならぬ言動にまつわる最終話で、北森作品のほかの登場人物、蓮杖先生やら旗師やら骨董ややら、続々登場。もともとそれらの作品でも登場する香菜里屋でしたから、彼らの登場は変ではないのだけど、ちょっとそれぞれのエピソードやせりふが短すぎてもったいない感じ(手塚治の海底超特急マリン・エクスプレスをみる気分)でした。
正直言って、この最終巻はこれまでのに比べてよいかといわれると、否だと思う。ただ、続けて読んできたファンに、ご褒美という感じでしょうか、楽しかったです。ちょっと気になるのは今回の本では味の間違いがキィになる話がいくつかあるので、美味しいものを楽しみに読んでいる身としてはちょっと哀しい。いつものように味覚の想像力をたくましくしているとちょっとつらい話もあるし。
また北森鴻氏の他の作品で、ひそやかに登場してくれるといいなあと思います。とりあえず、常連さんの昔話のためにまた前の巻花の下にて春死なむ (講談社文庫)、桜宵 (講談社文庫)、螢坂 (講談社文庫)を読み直そうかな。
コメント (2)
ふむふむ、例によって文庫版待ちなのですが・・
そうか~終わっちゃうのね・・
香菜里屋や工藤マスターって、本当にありそうな居そうな感じで親しみ持って読んでいたもんね。
何だかさびしいね。
私も前作三部、読み返そうかなあ~
投稿者: たらり子 | 2008年01月04日 17:36
日時: 2008年01月04日 17:36
>たらり子さん
そうなんですよ。ちょっとさみしい。
できれば最終巻を読む前に予習しておくと、えっとこの人誰だっけってことがないので良いかと思います。
投稿者: konama | 2008年01月04日 20:34
日時: 2008年01月04日 20:34